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超初級楽器選びのポイント
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超初級楽器選びのポイント



楽器選びの時期は2月

 さて吹奏楽部に入ると、楽器選びがまっています。特に、中学生の場合、まだ、身体も小さく成長期に入ったばかりなので、今の口の形状に合ったからと言って、数年後もちょうど良い状態とは言えません。学校によっては、学校備え付けの楽器の種類と数に限りがあります。また、合奏するときの音のバランスを考えると、各楽器の「定員」があったりもします。必ずしも、「吹きたい」という楽器を担当させてもらえる物ではありません。学校によっては、本人の希望を尊重するところもあります。そうなると、トランペットと、フルートと、サックスだけのチームができたりします。

 さて、どうしてもある楽器を吹きたければ、マイ楽器を持つと言うことは、優位になる事はあると思います。それでも、音にシビアな先生だと、マイ楽器を持っていても平気で楽器変更を行ってきます。100万を超える楽器を買っても、楽器変更を求められた人、何人も知っています。それは、顧問の先生次第ですが、吹奏楽は一人では成り立ちません。音のバランスを考えれば、人気の無い楽器であれ誰かが担当しなければなりません。大抵の場合、楽器オーディションを行って、担当を決めていると思いますが、身体の成長を考えて、途中で楽器変更も普通にあります。

 無理して、中学校の1年の段階で楽器を買うのは、そんなことも考えると、あまり良い選択ではないと思います。1年のうちは学校の楽器でなんとか練習をして、次の1年生が入ってくる前に、マイ楽器を買うというのが、時期的には良いのかなぁと思います。実際に、楽器店さんに聞くと、昔は、5,6月頃がシーズンだったけど、今は、2,3月がシーズンだと言っていました。

 さて、いざ楽器を選ぶにあたってのエピソードをいくつか紹介します。


★ 楽器に向いている身体の特徴

 族に、「金管に向いているくちびる」とか、「木管に向いている体格」などと、いろいろな都市伝説があります。まぁ、くちびるが薄くて、上下の高さが揃っていると、「金管向き」などと言われます。でも、アメリカの有名な「ルイ・アームストロング」(サッチモ)は、ナメクジのようなくちびるでしかも、下唇の方が大きいので、「絶対に金管に向かないくちびる」と言われています。でも、トランペットを下向きに構えて独特な吹き方で、トリプルHighBbから、うっとりする音色を堪能させてくれます。
 「吹きやすい」と、「良い音を出す」は、同じではありません。あくまで、一般的に「金管向き」という言葉があるだけで、絶対ではないのです。極端に出っ歯とか、下顎が出ているとかですと、なかなか標準のマウスピースでは難しいと思いますが、そこは「サッチモ」のようにその人オリジナルの吹き方を見つければ、可能だと思います。


★ 楽器は実際に吹いて選ぶ?

 顧問の先生から、「楽器はいろいろ吹き比べて、一番良いと思って楽器を買うこと」と言われます。もちろん、正論です。いずれにせよ、何にせよ、本人が納得しなければ、良くはないですよね。とはいうものの、ちゃんとした吹き方ができていなければ、「これが良い」と判断したこと自体が、「良くない」と言うこともあります。また、たとえこの瞬間一番良い音を出したからといって、その楽器が未来永劫、ずっとその人に会っているとはまずあり得ません。ある程度吹けるようになると、好みの音楽の種類なども関連して、指向性が付いてきます。たとえば、ポップスが好きとか、クラッシックが良いとか、ジャズが良いなど。それぞれに音色の方向性が違います。であれば、楽器も変わってきます。

 ある中学生が「先生、どの楽器が良いか、実際に吹いてみるので教えてください」と言って、いくつかの楽器を試し吹きしました。先生の答えは、「うーん、今の段階じゃ、よく分からないね」でした。


★ 楽器は高いものを買う?

 楽器は、初心者に良い楽器から、プロが選ぶ楽器まである。ので、最初に良いと思った楽器も、すぐに技術レベルが上がれば、次のが欲しくなります。ので、どうせ買い換えることを考えるのなら、最初から「良い楽器」を買うと良いでしょう。と、高額な楽器を勧められることがあります。
 たしかに、先述の通り、上達につれ、吹きやすい楽器、好きな音色が変わってきます。
 かといって、プロが選ぶ高額な楽器は、その音色を出すのに、それなりの技術を要します。要は技術がなければ、吹きやすい楽器が良いけど、それは表現力が乏しい楽器ということです。技術があれば、自由度の高い楽器が良く、でもそれは逆に言えば「誰でも良い音が出る」楽器ではありません。
 よくある話で、トランペットで中学生の憧れのBACK社の180MLシリーズ。楽器自体が重く、2本柱で銀鍍金。とかく吹くのにパワーが要るのです。身体の小さな中学生の女の子には、そのパワーが出せない。ヤマハのスチューデントモデルでは、上手く吹けるのに、BACKだと、音すら出てこない。良くある光景です。で、楽器吹くこと自体が嫌になって、せっかく良い楽器なのに、高校では吹奏楽やめちゃった、なんて話しも良く聞きます。
 この時期(2月)、ネットオークションに、程度の良いBACKがよく出てきますね。


★ どんな楽器でも上手く吹くのがプロ

 さて、どこかの楽器体験商談会での一コマ。
 ある学生さんが、マイ楽器を持ち込んで、「この楽器は良い音がしないので、もっと良い楽器をみたい」と、試し吹きをしていました。その時、お店にいたセミプロ(学校の講師)さんが、「どれ貸してみな」と、吹き出しました。まわりの人がみんな目を丸くするような、良い音を出していました。それを見た、他のプロの方(講師の方)さんが、いたずらっぽく「へっ、へっ、へっ、そりゃ、これで飯食ってるからなぁ」と。「楽器じゃなくて、吹き方だよ」と。展示即売会のお店の人が苦笑いしていました。
 で、次は、自分の楽器に持ち替えて吹き出しました。それは目から涙の出るような音色でした。先ほどのプロの方がまた、いたずらっぽく、「へっ、へっ、へっ、そりゃ、(学生さんの持っていた)それが5,6本買える値段だからなぁ。」と。周りも、うなずいていました。

 別の会場で、とあるプロの方が、中国製の安い楽器を「これは私たちプロの楽器です」と言いました。みんなが「」と振り向きました。もちろん、うっとりするように吹いて見せて、「どんな楽器でも、ちゃんと吹けるのがプロです。この楽器も、癖があります。素人さんでは、そこが難しく「音色が悪く」なりますが、そこを補正できるのが「プロ」です。こういう楽器は、2番目、3番目のいざというときの予備に最適です。メインの楽器も「調整に出したり」「修理したり」で、使えないときが必ずあります。そんなときでも、演奏をするのがプロ。そういうとき、こういう楽器が役に立ちますね」とのことでした。


★ リペアマンの感想

 とある、中国製の楽器が、気持ち悪い音が出るので、リペアマンに見てもらいました。1週間ほどで帰ってきて、見事に音色が改善されていました。リペアの先生曰く、「中国製が音が悪いのではないですね。昔、15年ほど前は、コピー製品が出回り、確かに酷い物が多かった頃はあります。でも、今は改善され、逆に多くの有名楽器製造メーカーが、中国で作らせています。有名な「クランポン」でも「BACK」や「セルマーパリ」でも、もちろん「ヤマハ」もです。これらのメーカーも、初期の頃は大分苦労したようですが、品質管理や製造管理が徹底された現在、良い音を作れるようになっています。
 ただ、そんなメーカーの製造工場から流れ出た、いわば品質管理で落とされた個体が、別ブランドでネットで売られることもしばしあるというところが、中国です。見た目、ほとんど同じです。というか、同じ物ですから。ただ、調整等が上手くいかなくて、品質チェックで跳ねられた物です。これを通常は廃棄して、溶かして金属素材に戻ります。が、まれに横流しして、体裁を整えて売りに出す悪い集団がいる事も事実です。
 また、たとえ、品質管理をしっかりしていても、品質管理の担当者がいないときに、手を抜いて適当な物を送ることもあるのが、中国です。本来、ちゃんとした技術を持っていながら、時折手を抜いて儲けに走るのも、また中国です。

 では、主にどこが悪いのか。
 木管楽器で言えば、キイのカバーが、全開または、全閉。これで音階が決まります。今時、この全開、全閉に問題があるようなものは、さすがに出回りません。
 問題は、この開きはじめ、または、他のキイと連動して開くケースです。わずかに開きかけるその瞬間の空く容積というか開き具合が悪いのです。具体的に言えば、キイの穴の丸い輪が微妙にでこぼこしているとか、カバーの内壁が多少ゆがんでいるとか。通常は、タンポと呼ばれる、フェルトや革で出来た充填剤がクッションの役割をしていて、これで多少のゆがみや欠けはカバーしているのですが、ここの調整が雑で、カバーしきれない個体が良く出てきます。
 これが、はっきりと「ドレミファソ」と音を出すのであれば、気がつかないのですが、トリルキーで複雑な音色を奏でたり、弱い音で吹いたりしたときに、気持ち悪い音色になるのです。
 では、どうすれば良いか。例えば、分解して、キイの穴を精密ヤスリで完全平滑に綺麗に整えるとか、カバーを取り付ける角度を、一旦溶接を外して付け直す、カバーの開閉の角度を調整するなど、バランス調整をしっかりとやり直せば、良い音が出てきます。
 私たちリペアマンがしっかりと調整すれば、今の中国製でも十分良い音を出しますよ」と、おっしゃっていました。

 また、別のリペアマンが、学生さんに言っていました。「どこが吹きにくいかな?」と。「今なら、楽器のせいにしちゃって良いよ。だって、その悪いところを直すのが、私たちリペアマンの仕事だから」と。

 そうです。楽器は、本体が中国製かどこで作られたかよりも、必ず調整が必要です。ちゃんと調整してもらえるリペアマンさんがいる事が、重要なポイントです。楽器は、売って終わりじゃありません。また、買って終わりでもありません。
 むしろ、買ったときから、お付き合いが始まります。家族と同じような物です。ちゃんと面倒を見なければ、どんどん悪くなっていきます。しっかりと良いコンディションを整えれば、楽器が馴染んで、吹きやすく「良く鳴る」楽器になっていきます。新品よりも、ある程度使い込んだ方が良い音に鳴るのが、楽器の面白いところですね。


中古の楽器は悪いの?

 いまや、ネットオークションなどで、中古の楽器が良く流通しています。でも、「絶対に、ネットでポチッは、やめてください」と、先生方は言います。ところが、調べてみると、このところ、ちゃんとした販売店ですら、「ネット販売」が増えているようです。「ネット販売」が悪いのでも、「中古が悪い」のでもないと思います。わざわざ、東京まで行ってメーカー直販店で買われる人もいます。その交通費まで入れたら、相当な買い物になりますね。
 まず、本当に中古が悪いのか?
 これは、一概に言えません。最近はやりの中古販売個人サイトでは、音も出ない楽器を「ジャンク」とも書かずに「ノンクレームで」なんて投げ売りしていることもありますね。仮に「」が出ても、正しい「音階」が出るか迄はわかりません。特に木製の木管楽器は、内部の割れ、欠けまでは、よほどのプロじゃなければ分からないです。というか、さすがに割れていれば分かります。でも、それを補修してあれば、よく見た程度では分からないです。

 木製の管楽器は、多かれ少なかれ、「割れる」リスクはあります。ちゃんとした品質管理された最高級の素材を作った高級楽器でも、安い中国製の楽器でも、リスクは同じです。むしろそれが「天然木材」の性質だからです。その為に、買った後も、急激な温度変化、湿度変化に気をつけて、練習や準備をします。ちゃんと管理されていれば、何十年でも割れることはありません。
 さて、ちゃんと管理された楽器であっても、中古に売りに出た後の経緯は分かりません。中古楽器店の倉庫に無造作に置かれているかも知れません。仮にこの段階ではまだ割れていなくても、ここでのわずかな見えない「割れ」が、購入後、本格的に吹き出した弾みで、「割れる」事も考えられます。

 実際の例ですが、オーボエの先生に一緒について行って選んだ外国の有名なメーカーのオーボエ。もちろん、先生がその時実際に吹いてみて、これが良い音がすると選んだ楽器です。ひょんな事で、無料分解調整に出したところ、「割れ」が発見されました。もちろん補修してあります。ただ、この補修のやり方がだったようです。間単位言えば、割れた隙間に充填剤を入れただけの補修だったそうです。この方法だと、必ず近い時期に割れが進んでいくと発見したリペアマンは言っていました。木材は必ず割れたがっている。そのため、本当の補修は、割れた個体を数週間水につけて放置するそうです。そうすると、開きたくなるだけ開くそうです。そこから、ちゃんと乾燥させ、開いた部分を大きめにカットして、充填剤だけでカバーできなければ、別の木材をカットして調整して埋め込むそうです。特に、ホール(穴)の場合は、そこがそもそも木材の内部に入り込む余地があり、湿度や水分が入り割れやすい部分でもあります。広く削って、新しい木を埋め込んで、新たに穴を掘って、穴の部分は新品の木材をあてがうそうです。木材が無理な場合は、硬質樹脂で塞ぐそうです。当然、この方法ではかなりの高額の補修費用となります。おそらく、この補修は、中古で買取る際にこの割れに気がつかなかった、または、長期保管中に割れて、再販する際気がついて簡単に補修したかのではないかと。つまり、販売店側は気がついていたであろうが、その状態では、リペアマンで分解しないと気がつかないので、音だけ吹いた先生は見落としたのであろうとのことでした。
 更にこの話にはその後があり、その販売店に修理を依頼し補償の中で無料修理をさせたのですが、1年後、また割れて大規模な修理をすることになったそうです。グラナディラの素材自体は、とても良い時代の物なので、修理して使う方が良いと思います。でも、気がついた時点で、ちゃんと補修していれば、もっと良い解決ができていたことを悔やみますね。

 木材には年輪があり、その輪に垂直に大きな締め付ける力がかかっています。なんらかの表紙で割れてこの「たが」が外れると、割れが進むようになります。つまり、一度割れると、どんなに補修しても割れやすくなります。補充剤を入れたり、別の素材で埋め直しても、当然、響きが変わり音色が変わります。もう、オリジナルには戻れません。
 グラナディラという「アフリカ黒檀」と呼ばれる素材は、緻密で重く、音響に優れているので、木製木管楽器によく使われます。でも、乱獲や政情不安の内戦等で、木材が枯渇して、もう昔のような良質な「グラナディラ」はないと言われています。メーカーも、良いグラナディラを多めに在庫していますが、それもかなり枯渇して、限定のアニバーサルモデルなどでないと、出回りません。そういう意味では、昔の素材の方が、良い素材と言えるでしょう。
 ちゃんと管理された状態の中古の個体であれば、むしろ良い音が出るかも知れません。

 そこは、分からないですよね。仮に、実際に手に取って吹いてみたところで分かりません。リペアマンが分解すれば、ある程度状態が分かるかも知れませんが、楽器屋さんの店頭でそれはできないですよね。どのみち、そのリスクは、通販で買おうがお店で買おうが、「中古」である以上ついて回ります。
 しっかりと管理され、ガンガン吹いて素材が馴染んでいる個体であれば、最高に良い出会いでしょう。中古が悪いのではありません。ただ、ある程度「賭け」ですね。

 金属製の楽器でも、サックスのような木管楽器は、タンポと呼ばれる革製のホールとカバーを塞ぐ役目のパーツが付いています。このタンポは、柔らかいことと、平滑なことが求められます。しかし、ホールは、吹いた息の通り道で、湿っています。結露等で濡れることもあります。どんなに演奏後のお手入れで処理をしていても、どうしても劣化してきます。このタンポ交換は1カ所、3,000円程度はします。タンポ自体は数百円ですが、この張り替えには、技術が必要で、単に貼り付けるのでは、音色がおかしくなります。
 中古の楽器でも、今まで吹いていて楽器の入替で売りに出た、と言うのであれば、ある程度メンテナンスされているので、さほど問題ないですが、中古店で1年寝ていました、とか、娘が吹いていて、もう10年吹いていません、なんて楽器は、このタンポがどういう状態かは補償できないですよね。
 およそサックスには、22カ所から26カ所程度のタンポが付いています。仮に3000円だとすれば、全てのタンポ交換には、6万円以上かかるという計算になりますね。オーボエタンポが多く必要です。クラリネットは半分程度で多くはないです。とはいえ、数万円の出費は覚悟すべきですよね。安い楽器は、それらタンポ交換、オーバーホールの費用が別と考えてください。
 もっとも、高い中古品でも、一度、信頼がおける近い販売店等の点検を受けることをお奨めしますが。


じゃぁ新品が良いの?

 それでは、「中古」じゃなくて「新品」が良いの?
 もちろん、「新品」の方が、愛着が湧くかも知れません。そういう感情はこの際抜きに、品質として良いか悪いかですね。これもまた一概には言えません。ある程度しっかりした会社であれば、品質管理はしっかりとされています。また、出荷時全数チェックをしていれば、大概の悪い部分は跳ねられます。ヤマハでも、カスタムモデル以上は、全数チェックをしていますね。国内生産のカスタムモデルは、ヤマハ吹奏楽団のソリストさんたちの手で、全数チェックしています。だめな物は戻されます。そのため、品質的には安定していると言えるでしょう。
 ただ、海外メーカーさんなどでは、全数チェックできていないところも多くあります。ピックアップ検査が主流ですよね。であれば、たまたまその個体がだめだった、ということは、工業製品だけにあり得ると言えます。基本的にはメーカー保証という形での修理、初期不良は全交換などで対応されると考えれば、安心ですよね。

 ただ、音質というレベルでは、それだけではないのです。
 「よく使われた方が、音が良く鳴る。」都市伝説のようなほんとの話です。
 科学的に何が起きているかはよく分かりませんが、管のゆがみ、パッドとのなじみ、そんなミクロ単位の微妙な変化で、音が馴染んでくるようです。新しい楽器は「硬い音」ですが、馴染んだ楽器は「柔らかく深い響き」が出るようです。木製の木管楽器は木材が馴染んでくるので、なんとなくイメージできますが、これが、プラ管でもその傾向があるのです。
 金管楽器だと、トロンボーンのスライド部分とか、トランペットのシリンダーとか、擦れ合う面が、馴染めば、音が馴染むのは分かる気もします。ミクロの単位で擦れて変形していくのですよね。

 自動車でも、新車よりもある程度年式の浅い中古が良いなんて話もありますよね。
 木製の木管楽器は、新品未使用の状態から、適度に湿度や温度変化を与えることで、木が膨張をはじめます。このとき、一気に本気で演奏をはじめちゃうと、木の表面と、内部の真の部分と変化に耐えられなくなり、「割れ」が発生します。そのため、半年くらいは、徐々に慣らして使っていく必要があります。まともに演奏するには、半年間程度の慣らしが必要です。この間、どんどん音色が変化していくのが分かります。
 新品を買うのであれば、この慣らし期間を考慮しないと、思わぬ事態を起こすかも知れませんね。


外国製が良いの?

 海外の有名メーカーさんが良いと聞きます。トランペットで言えば、バックとか、サックスで言えば、セルマーパリ、クラリネットではクランポンなどと、中学吹部生の憧れのメーカーです。じゃぁ、国産はだめなの?国産と言ってもいろいろあって、ヤマハの様に大規模にやっているメーカーもあれば、ミヤザワフルートとか、ヤナギサワのサックス、ヨーゼフのオーボエ、などのように、少量手作りのメーカーもあります。

 管楽器はもともとドイツフランスを中心に発達した楽器です。そういう意味では、ドイツ製、フランス製は作り慣れていると思います。世界の流れ尚中で、アジア製は、安かろう悪かろう、と思われています。と言いながら、ヤマハは、全世界一の出荷量を誇っています。逆に、ドイツのヘッケルというファゴットメーカーは、600万円以上しますが、少量販売ですがトップメーカーです。
 また、お国柄もあり、ドイツはしっかりとした音色、フランスは、華やかな音色、アメリカはパンチのある音色、などと言われたりもします。クラッシックや、ポップス、ジャズなど、用途によっても、音色バランスは違います。それらを踏まえて、メーカーやモデルの違いがあり、ある意味楽しめるのではないでしょうか。

 ただ、大人の事情もあり、どこそこのメーカーじゃないとだめ、なんてこともしばしばあります。まぁ、仕方ないかも知れませんね。その当たりは。
 フランスの「マリゴ」という、オーボエのトップメーカーがあります。多くのプロからハイアマチュア、中高の吹部生憧れのメーカーですね。マリゴだけを毎年買いあさる「信者」もいるらしいです。
 もちろん、歴史もあり素晴らしいメーカーですが、大人の事情もあり、一時期、品質が安定しないときがありました。フランス人の気質もあり、ずば抜けて「良い」物もあれば、おいおい、って品質の物もあり、ばらつきが大きいと言われています。細かな事を気にしないフランス的と言えば、それまでですが。そこで、毎年、良さそうな物を買って、自分思っている物と比べ、良いと思う方を手元に残し、悪い方を,中古市場に流すという事を繰り返している人達がいるらしいです。輸入代理店の野中貿易さんですら、100本に1本、当たりがある、と言っています。その1本を探し求める、壮大なロマンですね。という意味では、ほぼ新品に近いマリゴの中古品は、ある人の選別から漏れた個体かも知れませんね。

 この、マリゴというメーカー、その品質のばらつきから、信頼を失って一旦倒産の危機を迎えています。もともと日本での輸入代理店だったの野中貿易さんが、マリゴ社本体を買い取り、品質管理を中心にてこ入れをして、安定した品質になったとも言われています。
 作る人も人間です。それなりの報酬がなければ、良い物は作れません。高い楽器は良い楽器という構図、あながち間違ってはいません。

 ここ数年、中国の人件費の上昇は桁違いの上昇率だそうです。「安い中国製」も過去の話になる勢いです。
 先ほどの、ヘッケルのファゴットが600万円として、謎の中国製が20万円として、同じであるわけがありません。でも30倍良い音かどうかと言えば、分からないですよね。最後は「好み」となります。もっと言えば、良くても買えなければ、意味がありません。その価格にみあう価値を見つけられれば、どちらも良い楽器と言えます。
 600万円の楽器は、600万円の価値があり、20万円の楽器は20万円の価値があるのです。20万円の楽器の価値しか分からない、演奏できない人にとって、600万円の楽器は無駄な価値(高い)ですし、逆に600万円の楽器の価値が分かる人にとっては、仮にたった20万円としても無駄な出費(ある意味、高い)と感じる事でしょう。


販売店選びのポイント

 さて、いざ買うとなると、重要な要素は、販売店です。
 楽器は、買えば終わりという製品ではなく、日々のメンテナンス、定期的な調整が必要な、繊細な製品であると言うこと。重要なのは、そのアフターサポートをどこでやるか、どこがやってくれるか、だと思います。ご自分で、楽器調整ができるリペアマンなら、あまりそこは気にしないで、いろんな楽器で楽しむのも良いでしょう。もしくは、調律、調整を試してみたいというのも、面白いと思います。「楽器」に興味があれば、だれでも分解調整してみたいですよね。でも、楽器はとても繊細で、生き物のような物です。容易に分解して組立できる物ではありません。形が組み上がっても、音色が調整されません。高度な技術と経験が必要です。ですから、リペアマンは成り立つし、リペアマンによって楽器の音色も変わってくると思います。
 プロの場合は、メーカーよりもちゃんとしたリペアマンとお付き合いがあります。

 これから楽器をやろうと思っている人は、そもそもリペアマンとのお付き合いは、無いのが普通ですよね。知り合いにリペアマンがいれば、ラッキーですが。であれば、ちゃんとした販売店であれば、契約リペアマンがいるので、そういう意味で、ちゃんとした楽器販売店で買う事は、安心に繋がります。ただ、その場合は、リペアマンとの修理調整契約ではなくて、販売店経由の修理調整となり、簡単に言えば、その分値段が高くなります。そこは大人の事情です。また、楽器販売店も,楽器を売ってこそ利益があり経営できます。その販売店で買った楽器と、そうで無い楽器とでは、価格とかサービス面で差が出ることは否めませんよね。お店の人も人間ですから。

 また、消耗品(リード等)を買うにしても、いざ壊れたから、大至急修理しないと演奏会に間に合わない、など、楽器店はやはり地域になくてはならない存在だと思います。地域に楽器店がないと、大都市まで毎回出て行くとか、配送業者に依頼するとか、結果的に別のコストがかかります。通信販売の楽器が仮に安かったとして、そういったメンテナンス費用がかかるのであれば、「安い」メリットはなくなりますよね。
 そういう意味で、楽器販売店と信頼関係を持っていることは重要な要素だと思います。

 だからといって、その楽器販売店にある楽器だけで選ぶのも、いかがな物でしょうか。もちろん、販売店が売りたい(利益率の高い楽器)を買えば、販売店は嬉しいです。でも、もう少し選択の自由が欲しいですよね。
 店頭に無い楽器でも、販売代理店契約をしていれば購入できます。また、仮に他の手段で買っても、代理店契約しているメーカーであれば、大概は修理、調整が可能です。つまり、部品等が手に入ると言うことです。
 ただ、店頭にある楽器であれば、試し吹きができますが、お取り寄せとなれば、購入になりますので、試し吹きはできないと思います。「いくつかお取り寄せして、一番良い物を買う」って事が理想ですが、大人の事情で、できない事の方が多いでしょう。プロの方達はそうやって選んでいるようですが。

 オーボエや、ファゴットの様な楽器は、リードが音の影響に大きく出ます。その為、リード選びは実勢に吹いてと言うパターンが多いです。1本3000円から4000円します。同じメーカーや、同じプロの方の監修したモデルでも、微妙に音が違います。どのリードが一番良いかトも言えず、その吹く人の癖や上達度による物の大きいです。ある人に取って、とある個体が一番良いからと言って、別の日とも同じ個体が良いと思うかは、大分違うようです。そのため、販売店では、常に同じモデルでも、5,6個の個体を並べて選べるようにしています。そういう店の場合、今、店頭にある個体は、「誰からも選ばれなかった物」か、「新品を補充した物」かになります。
 さて、リードは、乾燥したケーンと呼ばれる葦の皮で出来ています。これを水に濡らして適度なしなりを付けて使用します。乾燥したままだとすぐに割れてしまします。逆に水に浸かりすぎると、柔らかくなりすぎて、また音になりません。この性質が、毎回の準備にも表れるのですが、1ヶ月も2ヶ月も浸かっていくと、繊維そのものが多少変形して、柔らかくなってきます。そして、それが柔らかくなりすぎると「寿命」となります。リード1本でも、「新品」から「寿命」までの「」があります。良い音が出るのは、ある程度慣れてきてからです。そういう意味で、「新品」のリードは、よ音を作るまでに多少の時間がかかるのです。仮に、「明日の演奏会に間に合わせたい」なんて状況だと、この新品のリードは難しい選択となります。
 リード選びで、今良い音がする、吹きやすい事が、必ずしも「良いリード」ではありません。そのリードにあった吹き方にするのも良いし、リードカッターで好みの硬さにモディファイするのも方法です。そういう意味で、リードは「新品」の方が選択肢が多いですね。

 クラリネットサックスの場合、ケーンだけで売っているので、コスト的には、1枚350円ぐらいとぐぐっと安くなります。でも、大抵は10枚入りの箱で買います。なぜならば、良いリードは、1箱に1本あれば良い、と言われています。結局のところ、同じコストと言えます。どうしても天然素材で、手作りのため、同じ物は二つと存在しないからです。
 楽器が悪くても、リードである程度補正できます。でも、その選ぶのに多大な神経を払うことになるでしょう。楽器自体が良いことに越したことはありません。でも、その逆に、楽器がどんなに良くても、リード選びが上手くいかなければ、良い音にならないという事です。もちろん、吹く技術はそれ以上に影響します。
 どの選択をしても、「完璧な正しい」物ではない。「良い物にする」のは、その後の愛情のかけ方次第です。なんかロマンがありますね。

 販売店選びのポイントは、この欲しいと思うメーカーを取り扱ってる販売店修理受付が可能な販売店リペアマンがいるところから購入することが、良いと思います。輸入品などの場合、これがなくて、外国の会社に修理を依頼しても、言葉の問題、商習慣、輸送、手続き等、個人でちゃんとできれば良いですが、不安がありますよね。中国製の楽器の通信販売だと、かなりここが怪しいようです。少なくても、こちらが中国語をマスターしていないと、細かな修理調整のオーダー自体が伝わりませんよね。
 でも、その楽器メーカーと輸入販売代理店契約を結んでいる国内販売店があれば、そこでなんとかなります。中国製が悪いと言うより、その修理調整が可能かどうかが、ポイントだと思います。

 メーカー純正の修理もありますが、リペアマンによってオリジナルな修理もあります。全ての楽器が、メーカーに送りそこで修理しているのではありません。オリジナルパーツが入手できなければ、似た部品を加工して取り付けることもあります。そうなると、そのリペアマン自体の保証があるかどうかです。先述の野中貿易さんは、輸入代理店ですが、それ以外のメーカーでも、修理を受け付けます。もう、一度市場に出た楽器は、すでに一人歩きしています。自動車のように、メーカーはあまり重要な要素とはなりません。
 いかに、リペアが可能か、アフターフォローが可能かを見極める必要がありますね。


ネットオークションの場合

 「ネットオークションで絶対に買っちゃだめ」、とよく言われます。
 ネットオークションは、その楽器がどんな状態であるか分からないからです。また、どんな状態で保管されていたかも分からないからです。写真とコメントだけで、判断しなければなりません。
 そういう意味で、個人売買はリスクがありますよね。個人売買が悪いのではないのですが、本当に信用できるかという事です。泥棒さんが「私は泥棒です」とは絶対に言いませんよね。ネットオークションでも、楽器販売店よりも個人の方が安いですよね。これは、その個人さんが、販売店の中古買取金額を見て、あまりに低額なことで仕方なく、ネットオークションに個人で出した、というのがほとんどのケースだと思います。

 楽器販売店も中古買取りをします。多くは下取りですが、一般買取りもするケースがあります。出してみると、むちゃくちゃ安い事に気がつきます。自動車の中古市場のように、資産価値が認められるとある程度、中古価格が維持されますが、楽器は、よほどの楽器で無ければ資産価値は付きません。バイオリンのストラディバリウスなんて言えば、億という資産価値があり、逆に言えば課税対象となりますよね。
 中古自動車もそうですが、中古販売価格の半分ぐらいがおよその買い取り金額と言っても過言ではないでしょう。そのモデルの同等品が、10万で売られていたら、買い取り金額は5万円。ざらっといえば、そんな具合ですね。それじゃ嫌だと直売するのが、個人オークションと言うことです。楽器店での中古価格10万円で売れれば、その個人さんは、通常の取引よりも5万円得をしたことに鳴りますね。

 さて、販売店さんが、単に利益だけで買取価格を低く抑えているのではありません。悪い物を扱えば、自分のブランドイメージが落ちます。また、楽器によっては、修理調整をして再販売しなければならないこともあります。リペアも自前でやるので経費的には個人で依頼するより安くはできます。とはいえ、やはりお金がかかります。そのリスクを考えて、安く買取るのです。
 逆に言えば、信頼できる個人からの売買以外では、販売店のリペアの手が入った中古は、良いと思います。

 また、ヤマハなど、リペアパーツをちゃんとストックしているメーカーが良いでしょう。中国のメーカーだと、そのあたりが不安ですよね。ちゃんとしたメーカー、例えば、ヤマハなどが生産を委託している工場であれば、良いですが、その工場でも、横流しで市場に出てきた物は、もう別物です。楽器はヤマハであっても、細かな変更を頻繁にします。パーツの使い回しができる場合とできない場合があります。同じ型番でもパーツのレベルでは別物である事も多くあります。そういう意味で、型番ロット(製造年)等がはっきり分かる製品なら、なんとかなりますが、そうでは無い流通品は、意地悪でなく本当にリペアできない事も多くあると思います。

 ヤマハユーフォニアムYEP-321というモデルは、前身のNIKKAN時代は、プロフェッショナルシリーズと言われたモデルの焼き直し版といわれています。ただ、製造方法や技術の進歩、はやりの音楽の方向性などで、どんどん良い製品が出回っています。いまでは、スチューデントモデルと言われています。格安モデルでは、3ピストンの物がありますが、4ピストンの中では、最も安い部類となっています。
 このモデル、長い歴史を持っていますが、細かな部品レベルでは、何回かモデルチェンジしています。そのひとつが、シリンダーの中のピストンが中で違う方向に回り込まなくするために、ピストン側が付いていて、シリンダー側が切り込まれています。このピストン側に取り付けられている爪が、昔は金属製で、ネジで留められていたのに対し、現行品は、樹脂製でシリンダーと一体成形されています。つまり、シリンダーは共有パーツですが、ピストンが変わっています。でも、ピストンをまるまる交換すれば、使用できる様になっています。ピストンの長さ等に若干の変更があるため、ピストンとシリンダーを詰める為のねじ込みパーツ(蓋)のサイズが違い、ピストン本体ボタンに至る1式交換する必要があります。
 でも、逆に言えば、万が一の場合でも、その程度のパーツ交換で再生が可能だと言うこと。金管楽器で良くある破損は、本体のへこみ以外では、ピストンの腐食です。本体のへこみは、接合部を外して、鉄球を高速で回して挿入するとか、最悪は、新しいパーツと交換するなど方法がありますが、その費用と、新しい物を買うのでは、おそらく新しい物を買う方が安くなると思います。でも、ピストン等の小物の補修であれば、対応ができます。それが、ヤマハの強みと思います。
 中古を買うのであれば、このように、補修パーツが現在でも入手可能かどうかは、大きなポイントですね。


外国製の場合

 外国製品と、日本国内製品とでは、大きな違いがある物があります。それは、身体のサイズによる、ボタンの配列などの基本デザインです。日本人は、小柄ですが、外国人特に、欧米人は、身体のサイズからして大きいですね。これはピストン等の手で操作する位置と、マウスピースが唇にあたる位置との関係に大きく関与します。日本国内製の多くは日本人の小柄な体型に合わせて作られています。木管楽器では、指の関係とボタン、キイの関係ですね。穴を直接塞ぐ物は、そもそも長さは音の関係で決まっていて、変えようがありません。でも、キイ、ボタン、レバーと連係棒で結ばれたメカを持ち、カバーの開閉で音階を作る、サックスが一番わかりやすい例ですが、多くの木管楽器では、この手のひらの大きさ、指の太さは、大きなデザインの特徴となります。
 サックスだと、セルマーパリや、アメリカンセルマーなどは、大柄に作られていて、日本人の指だとちょっと難しいと言われています。ヤマハや、ヤナギサワは、その点、指の収まりが良いと言われます。クラリネットでも、クランポンや、セルマーは、穴を直接塞ぐ場合は同じですが、キイを操作する場合、指の感覚がちょっと大きいと言われます。
 特に大きな影響は無いと思いますが、日本人の中でも小柄な体型の場合は、外国製楽器はちょっと気をつけなければならないでしょう。中学1年の女生徒では、押さえられないキイがあるかも知れません。まぁ、そもそも、テナートロンボーンの7番が吹けない人も多くいるようですね。その為のF管と、テナーバストロンボーンを本来の目的とは違う意味で使うケースも多いようですね。


音色の大半はマウスピース

 音を左右する要素の「音色」というものは、どこで作られているか。難しいですが、「」自体は、多くはマウスピースで作られています。金管の場合は、唇の振動をマウスピースの中で反響させて、その振動を楽器本体に伝えて拡大しています。従って、「音色」の要素はこのマウスピース周辺の影響が大きいと言われています。
 金管楽器では、マウスピース。通常は、洋白の鋳造品に、銀鍍金という構造で、カップの直径、奥行き、内壁のカーブのデザイン等にようようのパターンがあり、BACK形式で、3C、5Cなどとモデル番号があり、BACK形式がリファレンスという扱いをしています。材質で言えば、純銀、18Kなどや、それぞれ銀鍍金、金鍍金なども存在します。族に、質量が大きければ、響きが良いとされています。
それ以外では、洋白の鍛造削出しなどもあり、1000円程度の物から30万を超えるようなものもあります。
 楽器が中古であったり、安いスチューデントモデルであっても、ここに良い物を使うと、吹きやすさ、音色の良さを感じる事ができると思います。

 木管楽器の場合、基本的には、マウスピースリードリガチャーの3つのパーツで構成しています。マウスピースは、通常硬質樹脂で出来ていて、リードは、葦と呼ばれる竹科の植物の茎を乾燥させて加工した物です。リガチャーは、そのリードをマウスピースに取り付けるパーツで、金属製から革製、麻糸などがあります。リードが吹き込む空気と吹き込まない側の空気との微妙な圧の差でリードが傾き、それに伴い空気が回り込むと、圧の差が無くなり元に戻る。でも、息は吹き込み続けるので、また圧の差が生まれ、その繰り返しで、振動します。この振動をマウスピースの中の空洞で反響させて「」にします。また、リード自体の振動をマウスピースに伝えることで、共振を起こし、マウスピース内で音が重なります。木管楽器特有の丸い響きはこの共振と反響によって作られます。
 金管楽器と決定的に違うのは、このマウスピースを中心としたパーツと、楽器本体の間には、コルクシートが巻かれて振動を直接伝えないようになっています。あくまで、空気の上に振動波を乗せて楽器本体の中を通過させて、指の位置で音階を作っています。
 最近のはやりは、このマウスピースの振動を楽器本体に直接繋げる銀製のプレートが音質を向上させるらしいですが、真偽の程はいかに?
 当然、このリードの材質、厚み、幅、また、マウスピースのリードとの角度、幅、内部のホールの容積、そもそもマウスピースの材質、そして、リガチャーの構造、材質などが、大きく音色に影響します。
 コルクシートの劣化も音に影響します。そもそも振動を伝えにくくするために付けている(それ以外にも、音程を揃える調整のため)がメインです。古くて硬くなったり、割れて隙間があれば、良い音には鳴りません。また、樹脂製のマウスピースは、波の強さから見れば柔らかいです。また、紫外線や空気中に晒すことで、当然揮発油成分が蒸発して劣化していきます。樹脂特有の柔らかさ、艶がなくなり、細かな隙間が出て硬くなります。やはり、消耗品ですね。
 オーボエイングリッシュホルンファゴットの場合は、2枚リードで、チューブと呼ばれる細い管に麻糸等で縛り付けてあります。このリードの厚みや削り方、糸の縛る長さ等も影響します。さらに、イングリッシュホルンやファゴットは、ボーカルと呼ばれる金属製の細長いチューブが、リードのチューブと楽器本体の間にあり、この材質、形状、製造方法(プレスとか、溶接とか)が音色に影響します。

 仮に、楽器本体を中古としたり、予算の関係でワンランク落とした安い物を買ったとしても、このマウスピース、リードをちゃんとチョイスすれば、音はかなり改善します。もっとも、一番影響するのは、「吹く技術」ですけど。


で、結局何を選べば良いの?


 ひと言で言えば、自分が納得した物....

 まず、ちゃんと先生に師事してしっかりと学ぼうというのであれば、先生の指導に従ってください。先生も人の子です。自分の考え方に従わなければ、教える熱意も落ちますよね。好みを言うのは、先生の指導したことがちゃんとできてからですよ。
 吹奏楽部で楽器を担当しているのであっても、とりあえず、顧問や講師の先生に聞くのが良いでしょう。先生方は、多くの生徒さんを見ています。それが全てではないですが、あなたに向いている楽器やメーカーなどを教えていただけるかも知れません。
 ここでは、自分で買うのにどうしましょうという、初心者向けの話となります。

 ここは、私個人の見解ですが、まずは、楽器がなければそもそも何も進みません。どんな理想も、楽器を持っていなければ、「絵に描いた餅」です。まずは「買う事」を考えましょう。借りるというのも方法としてありますが、楽器はある意味消耗品でもあり、生きています。返却時に相応の修理を求められます。
 ある例ですが、ファゴットを借りるのに、レンタル料は付き1万円でしたが、返却時には、指定工房でのオーバーホールを行う事を義務としています。当然と言えば当然ですが、ファゴットの様に大型であまり流通していない高級楽器のオーバーホールとなると、それなりに高額です。1年借りて、総額で40万円近くかかったと言われています。仮に2年借りたら80万とした場合、スチューデントモデルが変えますね。
 この2年の練習で、スチューデントモデルでは耐えられないほどの技術向上があればまだしも、方や、スチューデントモデルが手元に残るか、何も残らないか。本気でファゴットを続けたければ、100万円程度ではなく、300万円以上のちゃんとした楽器を選ぶべきです。そもそも、お金がかかる話です。
 プロの世界では、何百万もする楽器を持っていても、更に良い物をお金を掛けて探すことに生き甲斐を持っているような人も多くいます。どんな楽器でも上手く吹けるテクニックは持っていても、自分の好みや吹きやすさを考えて、更に良い楽器が欲しくなるようです。
 そもそも、お金で買わなければ、思い入れも薄く続かないですよ。「」がちゃんと出てくるまでは、つまらない単調な練習です。

 お金をかけてでも、良い演奏にこだわり演奏を続けたいか、気軽に楽しく趣味として続けるか。そして、その効果に対していくら払えるか。そして、その決断に納得ができるか。ポイントはそこだけですね。

 私個人は、あくまで趣味として考えているので、有名メーカーの高いちゃんとした新品楽器ではなく、有名メーカーで修理対応の可能な外国製の中古品や、国内加工を施して修理可能な安い楽器をお奨めします。
 部活のように、ほぼ毎日何時間も練習して、良い音には2年から4年はかかります。その覚悟があったとしても、4年後にはおそらく別の楽器が欲しくなっているでしょう。
 まずは、ちゃんと吹ける、安い楽器を選ぶ。マウスピースは、まずは有名メーカーの標準モデルを新品で買う事。楽器に添付されている無名ブランド品はあくまでお試しセットです。あと、消耗品をちゃんと購入できる販売店アフターフォローしてもらえるリペアマンとのお付き合いを大切にすること、です。

 楽器は、吹いてこそなんぼです。飾っているだけでは、真価を発揮しません。
(個人的には、眺めているのが好きですが.....)