しぞーかの地場産業
静岡市は、古くから伝わる高い技術の伝統工芸品が伝わっていました。これらがベースとなり、静岡の地場産業が発達していきました。どんなものがあるのか、覗いてみましょう。家具
紀伊国屋文左衛門による、大井川、寸又峡開発による、木材加工がベースにあり、指物師や、金物師などの技術を集めて、家具を作りだしました。タンスが主なものですが、鏡台なども、一時は全国一の生産量でありました。しかし、安い輸入木材や、多くの準工業地帯が宅地化する中で、材木商、製材所、木工加工所などが激減したり、他地区の山間などに移転したりして、出荷量そのものも激減しています。昔は、駿河区は、どこに言っても、木を切る電気回転のこぎりの音が響き、木の香りがしていました。
木工加工品
安い製材が入ってきたことからか、そもそも安い木工加工品が輸入されるようになったからか、木にかかる全ての産業が、急速に衰退していきました。木工加工品もその代表的な部分で、安い大量生産の輸入品や、樹脂製に変わっていきます。それでも、高い技術は残っており、大量生産などでは対応できない細かな受注型木工加工の需要が、技術伝承を守っているようです。突板
家具や、住宅建材に、木目を見せるため、太くて木目の綺麗な松などの針葉樹を中心に、薄い板に加工し、それを、やすい木材に貼りつけて、高級突板f風に仕上げます。合板、集成柱、和室天井、建具などに使われるのですが、木製住宅や、和室が減っていくのと同時に、突き板の需要が減っていきます。最近では、紙を圧縮した新素材も出てきたりして、需要減少の方向だそうです。原木の市場そのものが統廃合され、国内には数か所しかなくなってしまったようです。サンダル
もともとは、下駄産業が、こちらに移行してきました。ゴムのシートに肩を当ててプレスし、サンダルのベースを作ります。ガチャコンという音がよく聞かれました。月星化成なども、ここから派生していきました。スポールシューズの「ナイキ」のもともとの代理店が月星化成だったことから、「ナイキ」は静岡製と信じていました.....仏壇仏具
製材業が盛んになり、家具を作るようになるのと同時に、仏壇仏具も発展してきました。この技術のベースは、もちろん、駿府城、浅間神社、東照宮を作った宮大工の技術です。一枚の無垢材を張り合わせなく彫刻し、装飾する技術など、東照宮などの飾りを彷彿させてくれます。プラモデル
雛具製造がベースであり、細かなものへの加工、塗装、等の技術が木工縮小モデルとして作られ、それがプラスティック製となって、現代のプラモデルへとつながっています。中心には、田宮模型、青島文具教材、長谷川模型、LS、などがあり、昔静岡にあったバンダイは、一度、他県へ転出したが、また、静岡に工場を作り、人気アニメ「ガンダム」のプラモデルを製造し、一躍有名となりました。最近では、もっと少量多品種製造へと、いくつかのメーカーが生まれたり、逆に、ウッディージョーのように、木の板をレーザー加工して城や神社仏閣を組み立てるメーカーも出てきました。産業用機械
もともと、指物師などがいた技術がベースになっているのか、産業用機械も多く作られています。お菓子の透明フィルムのパッケージ用の機械などもここ静岡が発所の地ともいわれています。製缶
もともとは、茶箱を作るところから始まり、丸い筒型の「お茶缶」となり、また、缶詰のもとを作り発展してきました。お茶缶としては、缶の周囲に彩り豊かな和紙を巻くなどの工夫が施され、その和紙を使った小物などもまた派生した商品となっているようです。缶詰
明治になり、魚を輸出する試みがもともと。イワシのオイルサーディンなどが最初の製品だったとか。そのご、鮪の脂の乗った白身系をオイル漬けにしたところ、爆発的にヒットしました。「シーチキン」は、はごろも食品の商標であるとともに、ツナ缶全体の総称としてイメージされるほどの人気となっています。最近では、オイルを使わない、ノンオイルとか、逆に、高級オリーブオイルを使うなど、高品位な商品が人気を博しています。いくつか、静岡ならではの缶詰を見てみましょう。
造船
船造るって、どこで、と思います。清水港の三保に造船所があります。三保半島の広大な「穂」の部分は、造船業、それをベースにした鉄工所などが集積されています。造船業は韓国などの進出で厳しい環境であるようですが、ここで作られる中小型船は、需要が多く、細々であるが造られ続けています。造船業は、裾野が広く、鉄鋼加工から、加工機械製造、金型製造、内装架装など、関連した多くの工場があります。アルミ精錬
静岡市の蒲原地区にある、日本軽金属工業では、アルミの精錬を行っていた。原料のボーキサイトは、清水港の三保に輸入されます。アルミの精錬には莫大な電力が必要で、その為の専用の水力発電所が蒲原にあります。エアコン・冷蔵庫
言わずと知れた、三菱電機静岡製作所。三菱電機のエアコン「霧ケ峰」は、全国でここしか作っていません。お土産用菓子
知る人ぞ知る、全国のお土産屋さんに積まれている、ご当地お土産菓子の出荷日本一です。よくある、外の包装紙がご当地のいろいろな名産が書かれていたりするのですが、包装紙を開けると、真っ白な箱が入っている。あれ。製造元を良く見ると、静岡市駿河区....というのが多い事に気が付きませんか?
駅弁・駅構内販売お土産
日本で一番最初に「駅弁」が生まれたのは、静岡駅だってこと、知ってます?東海道線が開通し、駅構内で弁当を売ることになった。その弁当は「鯛めし」。魚の豊富な静岡ならではのものとしたが、鯛を一々焼いてはいられない。そこでヒントにしたのが、お伊勢詣でのおかげ横丁の宿屋さん。全国から伊勢に入り、前泊して翌日朝から伊勢神宮というのが一般的であった。昼過ぎから、夜にかけて続々と押し寄せるお伊勢詣でのお客さん。ここまでこれたことを祝い、尾頭付きの鯛の塩焼きを食べるのが流行っていました。でも、続々と入ってくるお客の対応で、一々塩焼きを焼いていられない。そこで考え出されたのが、一度、鯛を蒸しておく。お客が来たら、炭火にかけて、焼き色だけ付けて出す。これならば、ある程度保存がきくし、品質も落ちない。
これをそのまま応用して、鯛を蒸して、身をほぐし、少し焼き色を付けて飯にまぶしたところ、大盛況となったそうです。
鉄道の開通で、持ち運びを考えたお土産用の弁当やお菓子などが考え出されました。
そんな、お土産用をちょっと見てみましょう。
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